治療方針
厚生労働省が実施した17年度「歯科疾患実態調査報告」によると厚生労働省が目標に掲げている80歳までに歯を20本残そうと言う運動(8020運動)を行っているが、実際には75~79歳では10.66本、80~84本まで8.87本しか残っておらず、80歳で20本以上の自分の歯があれば何でも食べられ、楽しい生活が送れるはずなのに、ほぼ遠い状況でした。しかし、この10年で予防という考え方が普及した結果、平成28年度 歯科疾患実態調査において、「75歳〜79歳」と「80歳〜89歳」の20本以上の葉を有する人の割合が、初めて50%を突破しました。一方、半分近い方が達成できていない状況です。
むし歯や歯周病のような慢性の病気は、悪くなるたびに治療を繰り替えていたのでは、結局、自分の歯を失う事になってしまいます。残念ながら、治療したとしても、いったん悪くしてしまった歯は寿命が短くなるのが現実です。
では、どうすればいいのでしょうか?
歯科の二大疾患はむし歯と歯周病ですが、どちらもバイオフィルムといわれる細菌の塊によって引き起こされます。その進行や頻度などには個人差があり生活習慣や体質より変化します。そこで、あなたが疾患にかかりやすいのか、かかりにくいのか,かかりやすかったらどんな原因あるのかをしっかりと把握したうえで,原因をなくし、生活習慣や体の弱点を改善していく事が本来の治療です。
歯の病気は、悪化しなければ、はっきりとした自覚症状が出ません。そして悪くなってからの治療は、病気を治しているというより、病気の為に生じた問題点を手直ししているようなもので、根本的な治療は期待できません。
健康を守り維持して行くために
年をとっても自分の歯で健やかな生活を送る為には,いったん悪くなってしまったところは最小限の治療を行い、何故病気になったのか原因を追究し再発しないよう、その方に合った予防プログラムを作成し、定期的にメインテナンスを行っていく事が必要になってきます。
一人平均残存歯数(永久歯)