10年前にホームページを開設してから、現在は患者さんの7割がインターネットからの予約となった田中歯科医院。この10年は、単なる「予約制」ではない「完全予約制」の歯科医院として診療を行ってきました。遠方からの問い合わせや、また相談ごとも多い中で、田中先生に特に「完全予約制」についてのお考えを伺いました。また、「削らない治療」についてもお聞きしています。
完全予約制について
完全予約ですので、「患者さんをお待たせしない」というのが基本的な考えとしてあります。当院は、予約された患者さんを5分以上お待たせせず、一人あたり30分の診療時間に集中するように努めています。ですから、予約された患者さんが再診であれば、診療室に入られる前に、すでにその方のための準備をすべて整えた上で診療にあたりますから、30分をフルタイムで治療にあてることができます。
この診療体制によって、一本しか虫歯の治療ができなかったりすることも、2本の治療ができるという可能性が生まれます。必ずそのようにできるということではありませんが、完全予約での診療は、患者さんの診療回数を減らせるというメリットにつながることが期待できます。
また、たとえばお仕事をしている方でも、予定時間のままで終えることができて、時間のズレがないですから、お仕事にも支障をきたらすことがなくなるようです。医院としても夕方の混雑を避けれますから、気持ち良く診療に来ていただけるというメリットもあります。
リスクよりも信頼を
完全予約制は、歯科医院にとってリスクもあります。当院では今はほとんどなくなりましたが、かつては突然のキャンセルということがありました。その時は、お一人のキャンセルで30分の時間が空いてしまいます。以前、ご家族3人で予約され方がいて、合計1時間半の診療時間をとっていたのですが、突然のキャンセルが入ってしまったことがあります。その時は、完全予約のため、その時は1時間半を空けた状態のままでいました。一般的な予約制は、複数人を同時間に予約することもありますし、緊急の方も診療できますし、遅れてきた方も予定時間をオーバーして診療することも できます。一方、後の患者さんをお待たせるることも多いと思います。完全予約制は、緊急の方が来院された時でも、予約が優先されますので、その方を優先してご希望の時間に診療するということはできない場合もあります。もし優先させたとしたら、せっかく大切な時間を予約していただいた患者さんの信頼を裏切ることになります。もちろん緊急の方は、その方の治療時間が十分とれる時間帯をご提案いたします。ここ数年は、ありがたいことに患者さんが率先して、約束の時間を守ろうとしてくださっているようで嬉しく思います。子どもさんからお年寄りまで、幅広い層の方々が治療に来られていますので、これからも地域の方々に喜ばれる歯科医院として、皆様の信頼に誠実に応 えていきたいと思います。
保険診療と保険外診療
歯科診療の内容には、保険適用の診療と保険適用外の診療があります。患者さんのお考えを十分お聞きしてからの判断になりますが、あえて保険適用外の診療をお勧めするということはいたしません。たとえば10万円かかるとされる保険適用外の診療方法がある場合でも、保険適用内で何度かやり直すことで代用できるという方法も考えられます。その方向での診療もあるということはお話しさせていただきます。
削らない治療をこれからも
コンポレットレジンの技術というのがあります(詳しくは一般歯科のページをご参照ください)。この技術は、材料の開発が進み高度になってきています。個人的に、以前から強い関心を持ってきた技術なので、私なりにこだわりを持って最良の技術が提供できるようにと考えています。
スタッフ募集について
スタッフは、歯科衛生士の募集です。当院は完全予約制のため、働いていただける時間についてはわりとフレシキブルです。ただ、これも完全予約制と関係していますが、30分で終わる治療が、45分になっては困るので、歯科衛生士としての能力が要求されます。このことは、新卒の方がダメということではありません。丁寧に指導していきますから、そこから自らが率先して学び取っていける方なら大丈夫です。